
1.施設概要
METHODIST MANSFIELD MEDICAL CENTER は、METHODIST HEALTH SYSTEMが運営する宗教系の病院です。当病院のあるテキサス州マンスフィールドは、テキサス州の主要都市ダラスから西南に位置しています。当病院の所在地は、市街地や住宅地からやや離れており、周辺には建物等が少なく広大な平地に囲まれていました。
| 病床数 | 112床(1〜3階フロアのみの病床数) |
| 敷地面積 | 22.5acres |
| 施設延床面積 | 312,000SF |
2.施設の特徴
(1)施設全体
病院建物の外壁は、茶色系の色彩をベースとした全体的に落ち着いた雰囲気になっていました。建物の内装についても、クリーム色の壁面や木を使った什器など、外壁と同様に落ち着いた雰囲気であり、どこか温かみを感じさせる造りとなっていました。
尚、当病院は開設して約13ヶ月(2008年3月時点)の新設病院であり、5階の階層から成る建物の4・5階フロアは未稼働の状態で運用されていました。
(2)1階診療スペース
当病院の1階の診療スペースは、一般外来、手術部門、臨床検査、放射線検査等の診断部門、救急部門(EMERGENCY)、ICU で構成されていました。手術室は現在4室で運用されていましたが、将来的には2室拡張し、計6室での運用を行う予定とのことでした。救急部門については、18室の処置室で構成され、多くの救急患者への対応が可能なキャパシティが確保されていました。救急対応疾患の範囲としては、重症の心臓疾患(開胸手術等が必要な心臓疾患)を除く全ての疾患を対応していると説明を受けました。ICUについては、オープンスペースのスタッフステーションを中心として、それを取り囲むように8室のICU病室(全室個室)が配置されていました。また、ICU病室間には電子カルテ端末を設置したサテライトスタッフステーションがあり、電子カルテの情報入力が行えるようになっていました。
(3)病棟
2階、3階の病棟は、36床を1病棟として、1フロア1病棟で構成されていました。病棟の形状は、中央スタッフステーションを中心として、両側から弓状に並んだ病室(片側18床)で囲むシェル構造となっていました。(病室は全室個室)
また、病室間にはサテライトスタッフステーションが設置されており、中央スタッフステーション+サテライトスタッフステーションの併用で運用されていました。中央スタッフステーションはセキュリティを重視した完全クローズドの構造であり、サテライトスタッフステーションでは、電子カルテ用の端末が配置され、情報入力が行えるようになっていました。
(4)産科センター
当院の産科センターは2階フロアに位置し、7室のLDR(Labor(陣痛)Delivery(分娩)Recovery(回復室))、NICU(新生児集中治療室)が設置されていました。病院からの説明によると、当病院設立から13ヶ月間で約600名の新生児が参加センターで出生しているとのことでした。産科センターは独立したインフォメーションコーナーを持ち、他の病棟と完全に隔離した構成となっていました。また、廊下にアート作品のような母子の写真(当病院で出産した母子の写真とのこと)を展示するなど、環境造りへの配慮が感じられました。尚、当病院に限らず、米国ではほとんどの患者が日帰りで出産を行っており、陣痛後に入院し、出産後2〜3時間の処置で退院するというケースが一般的であるとの説明を受けました。日本ではあまり考えにくいことではありますが、高額な入院費用(1日入院すると40〜80万円)のため、多くの患者が金銭的な理由で日帰り出産を選択するそうです。米国では、産科に限らず入院費用が日本と比べて非常に高額であり、よほどの高額所得者でなければ長期入院は困難であると言われています。
(5)院内物流
当病院では、院内の診療材料管理に電子キャビネット(OMNICELL インテリジェントキャビネットシステム)を用いており、患者個別の診療材料使用状況の把握が行える物流管理が行われていました。この電子キャビネットシステムは、使用する対象患者の情報を入力して、患者別に診療材料の払い出しを行うシステムであり、病院の経営管理において重要となる『患者個別原価』を把握するための方法として、近年、日本でも注目されているシステムです。今回の米国視察では、同様の電子キャビネットを用いている施設が他にも複数施設あり、米国の病院管理における情報システム導入の状況が伺えました。

広大な敷地に立地する病院建物

落ち着いた色調の外来フロア

ICUスタッフステーション

ICUサテライト
スタッフステーション

救急処置室

ICU病室

病棟中央スタッフステーション

病棟サテライト
スタッフステーション

産科用インフォメーションセンター

アート作品のような母子写真

LDR

電子キャビネット
(OMNICELL
インテリジェントキャビネットシステム)